君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「呉竹陽向って言います」







いつになっても緊張して、口を固く閉じたままの柚葉の頭を撫でながら、陽向くんは挨拶してくれた。







「く、呉竹……」



「何をそんな緊張してんだよ」



「だって……」



「心配することねーだろ。パパさんにもママさんにも、もう会ってるんだから」