君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

手についたチョコを洗いに洗面台へ向かうと、階段の下に知らない男の子が座っていて。



短い髪が無動作に跳ねていて、爽やかな印象の男の子は、すぐに柚葉の彼氏だとわかった。







「こんにちは」



「こんにちは」



「……鳥越のお姉さんですか?」



「あ、はい……」







ぎこちない会話を交わしていると、階段の上から足音が聞こえ、柚葉が姿を現した。