君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。

「ママが聞きたいって言ってくれるなら、私はいくらでも歌うよ」



「……そうね。出来ることなら、杏奈の歌声を聞きながらこの世界に永遠の別れを告げたいものだわ」



「そんなこと言いながら、超長生きするくせに」







そう言いながら笑うと、ママもはにかんで私の手をそっと離した。