マンションから、バスで2駅程の静かな住宅街に位置する一軒家が、今私の目の前に立っていた。



アポなしで来たから、正直、誰がいるかはわからない。



ママがもしれないし、パパか、柚葉がもしれない。



もしかしたら、誰もいない場合だってあり得る。



そう思うと、深いため息が知らぬ間にこぼれ出ていた。