卒業式の日。


卒業式が終わって

私は実習棟に向かった。



3年間のお礼と


私の想いを伝えるために・・・




私は実習棟の裏口ではなく

実習教室の中に入った。



ずっと一緒に勉強した

真っ白い机・・・。


ここでずっと2人で

勉強してきた・・・。


「桐乎。」



急に呼ばれて

顔を上げた。



そこには

瑞城先生が立っていた。




「瑞城先生・・・。」



「卒業だな。
 桐乎はよくがんばった。
 これからの大学4年間も
 ちゃんと勉強するだぞ。」



「はい。
 あの、瑞城先生。」



「なんだ。」



「3年間、
 ありがとう
 ございました。」


「あぁ。
 卒業おめでとう。」



「・・・・。」


「・・・・。」



「あの、先生!
 わ、私・・」



「桐乎。
 3年だ。」


「え?」


「3年経っても
 その気持ちが
 変わらなければ
 その言葉の続きを
 聞いてやろう。」


いつもの冷たい感じのまま

まっすぐに私を見て

瑞城先生は言った。



「わかりました。」



私もまっすぐに

瑞城先生を見て答えた。




こうして私は卒業した。