「何それ。唇以外ならいーの?」






「いや…そういう意味じゃ…ない…」







「油断し過ぎだっつーの。」




ううっ…
言い返せない…。




そしてあたしが下を向いた時だった






ニャー。






「あっ…オマエどうやって部屋から…」






猫が出てきた方に目を向けると僅かに扉が開いていた。






「早く名前付けないから怒ってるんだよねー?」





そう言ってあたしは時雨から離れて猫を抱き上げた。





「ねぇねぇ、ルーって名前はどう?」






「ルー?」





「今日、カレー食べたじゃん??それでカレーのルーみたいな?」






案外可愛い名前だよね。






「ルーか…。いいかもな…」






「よし!決定だねっ♪」







こうして猫の名前はあっさりと決まったのだった。