い、今…ほっぺにチュッって…?
ハーフっぽかったし、外国流の挨拶…?
「俺が居んのにキスされるとかどういう神経してるわけ?」
玄関先でぎゅっと抱きしめられた瞬間、あたしは現実に戻った。
「へっ?!あ、…外国風の挨拶じゃないの?」
「んなわけあるかよ、ばーか」
時雨はあたしの手を引きながら部屋に入った。
「冬哉のやつもホント腹立つよな…」
あたしの頬に触れたかと思えば、さっきキスされた所を念入りにゴシゴシと拭かれた。
「ほ、頬の皮が剥けるっ!!」
痛いつーのっ!!
「キスされる希美が悪い」
「ほ、頬だったからいいじゃん!」
…と言っても、本当はよくないけど。

