「ほら、希美。できたぞ」
「え?あ!!うん。美味しそうだね…っ!!」
完璧、自分の世界に入り込んでた…
あたしは時雨の目の前の椅子に座った。
「いただきます」
カレーを一口食べてみると、なぜだか温かい気持ちになった。
「おいしい…」
「だろ?今回はなかなかよく作れたと自分でも思う」
そう言って時雨は笑った。
──ドキッ
「あれ…?」
「どうした?」
「な、なんでもないよ!!」
あたし…やっぱりおかしい…。
時雨の笑顔見ると、
もっと独り占めしたいとか思っちゃうし
何より、ドキッとすることが多くなった気がする。

