「お疲れ様でしたぁー…」
疲れた…。
今日、お客さんがいつもより倍だった…。
でも明日から学校休みだからゆっくりできる…。
「希美先輩」
「あ…、爽」
待ってるって言ってたんだった…
「希美先輩の彼氏、今日は迎えに来たりする?」
「ううん?時雨は今日、遅くまでバイトだよ?」
どうしたんだろ…?
「じゃあ、話したいから俺ん家に来てくれない?」
「…え?」
「だーかーらー!俺ん家!!」
爽の家…?!
「ム、ムリムリッ!!!」
彼氏でもない人の家に上がり込むって駄目だよね?!
「話あるって言ったじゃん」
「でも家とは…」
「親も居るし、何もしないから」
「うーん…」
「あの猫のこと気になるんでしょ?」
「うっ…。お、おかあさん達とか必ずいるんでしょうね?」
「勿論。俺、嘘はつかないよ」
爽のお母さん達がいるなら変なことはされそうじゃないから平気…かな?
変なことって言っても前に店内でスカートめくられたりとかだけど…。
「分かった。行く」
「大丈夫だよ希美先輩。変なことはしないから」
「変なことした瞬間、叫ぶんだからね」
あたしはそう言って爽のあとをついて行った。

