希美side




時雨に強く抱き締められると、どんどん時雨の顔が近づいてきた。




「だ、だめっ!!」




あたしは思わず顔を逸らしてしまった。





「なんで駄目なわけ?」





「だって…」





あたしは黒髪の竜也とのキスを思い出した。





「…だったら、いいや。」






「…っ」




嫌われちゃったかな…







あたしが俯いた瞬間、時雨は再び口を開いた。