階段を上ると涙を流しながら俺を見る希美。




「なんで泣いてんだよ」





希美の頬に手を添えると希美は手を上から重ねた。





「だって、時雨が…っ」





「負けるわけねぇじゃん。かっこ悪りぃとこなんかみせねぇつーの」




そう言って俺は希美を強く抱きしめた───……