「…っ!!」
俺の拳をまともにくらったのにあいつは倒れない。
「俺がオマエ倒して一番になんだよ…っ!!」
そう言って俺の頬を殴ってきた。
だけど俺の頬を僅かにかすっただけで対したダメージじゃない。
「昔からおまえの考えが気にくわねぇんだよ」
何でも一番を欲しがるこいつが。
俺とこいつは本当は仲が良かった。
だけどお互い食い違わなくて嫌うようになった。
全てを力でねじ伏せさせようとするこいつが嫌いだった。
俺はあいつの腹を力いっぱい殴ると、あいつは地面に膝をついた。
「ぐ…っ」
「思いっきり殴ったから立てないだろ。」
「俺はまだ…っ」
「おまえの負けだ。…希美は返してもらう」
俺は竜也の横を通り過ぎると希美のもとへと足を進めた。

