叩かれる──!!
ぎゅっと目を瞑ったけど、何も起こらない。
あたしがそーっと目を開くと、男の腕は誰かの手に掴まれていた。
「竜也さ…ん…」
金髪の男はその掴まれた男の人を見た瞬間に青ざめていく。
…?どういうこと?
金髪の男がどんどん青ざめていってるけど…
「やめろ。女は殴っていいって言った覚えはねぇ。」
「す、すみませ…」
金髪は振り下ろそうとしていた手を静かに下ろして、男に謝った。
態度変わりすぎじゃない…?
だけどこの男の人、髪も染まってないし…悪い人には見えない…。
「ねっ…ねぇ!!そこの黒髪の人!!」
あたしが声をかけた瞬間に金髪の男は鋭い目で見てきた。
「てめぇが声かけていい人じゃ…」
「オマエは下がれ。」
金髪男が言う言葉を遮って黒髪の人は言った。
そして金髪男はしぶしぶ部屋から出て行った。
…あたしを睨みつけながら。

