「時雨はみんなが思ってるよりも、怖くないんだよ?てか怖くない。逆に優しいし…」




あたしは立ち止まって話した。だけど麻美はスタスタと歩いていく。






「はいはい。のろけ話はいいですよー」




真面目に言ってるのにーっ!!



「のろけてないしっ!!」





あたしが走って麻美に追いつこうとした瞬間、誰かに腕を引っ張られた。





「え…?」






振り向いた瞬間、お腹に鈍い痛みが広がった。







どんどん薄れていく記憶の中、遠くで麻美の呼ぶ声だけが聞こえた────……