あと少しで11月が終わる頃、時雨はバイトを始めた。



「今日も帰れねー。ごめん」





「いいよ大丈夫。バイト頑張ってね?」






「おう。んじゃ、またな」




時雨とわかれるとあたしは麻美と帰る為、
校門まで走った。




「寒いーっ!!」





外はもう真冬ってぐらいに寒い。




「相変わらずラブラブね。…早く好きって伝えなさいよ」





「い、いつから見てたの?!」






「遠くからでも見えるわよ。あんなラブラブなの。」





ラ、ラブラブって…!



あたし普通に会話してただけなんだけどっ?!




「それにしてもあの不良も顔つきが穏やかになったもんね」





「え?」





「前なんかこんな風に、目吊ったような顔してたじゃん?」




麻美はそう言って自分の目をつりあげていた。