不良に口説かれて恋にオチました





部屋はシーンと静まり返っている。




だけどリビングの方からカタカタとパソコンを打つ音が。





そしてあたしがリビングに姿を現すとお母さんはチラッとだけあたしを見て再び視線を戻した。





「…帰って来てたのね」





「う、うん…。いま、帰ったよ…。」






久しぶりに会ってこの会話?





…そうだ。


仕方ないんだよね。お母さんはあたしの顔を見るのがきっと嫌なんだから…






「あたし部屋にいるね」





それだけ言うとあたしは急いで自分の部屋に入り込んだ。





でも部屋に入る前に聞こえたお母さんの僅かな溜め息をあたしは聞き逃さなかった。