【完】Rose.



「…愛しています。世界中で貴女以外に、全てを注ぎたいと思う人は、もう出来ないと確信出来る」


こんな気持ち、初めて。


強く生きると、涙は流さないと決めた、幼い日。


ただ存在を認められたくて、必死だった。


愛されたくて、でも愛されなくて。


頑張っても頑張っても、報われなかった。


小さな心が、毎日締め付けられて、壊れそうだった。


だから、強がって、大丈夫だって見栄を張って。


もうカラカラに渇いてるのに、知らないふりして。


頑張れないのに、頑張って。


気付けば、もう壊れかけていた。


そんな私を、貴方は見つけてくれた。


貴方は、私を真っ直ぐに見てくれた。


頑なに閉ざした、可愛いげの無い心も感情も、貴方は簡単に溶かしてく。


まるで、貴方に会うために、今日この日まで走り続けたみたい。


ねぇ、もう、甘えてもいい?


裸足でずっと、走り続けて来たの。


追いかけても、追いかけても。届かなかった。


追いかけているのに、ずっと追いかけられるようだった。