【完】Rose.



「?…すみれさん?どうしました?」


考え込んでしまって、黙ったままの私を気にして話し掛けて来る専務。


…どうしましたって、貴方のことですけど?!


なんて言えるはずもなく。


「…あ、いえ。…あの、…」


口ごもってしまう。


「…?…あの、の続きは、…話せませんか?」


首を少し傾げる専務。


……この際、聞いてみるか?


今更こんなこと、聞いても怒ったりしないだろうか。


「…専務は、本当に私で、よかったんですか?」


今日ずっと思っていたこと。


最初に出会ったあの時に言われた、あの言葉でここまでトントンと来たけれど、いざ目の前にして自信を無くしてしまうという、情けない状況。


「………」


あぁ、黙ってる。


困らせたよね。


「…あの、すみません。…変なこと言って、気に、しないでください。…というか忘れてください」


あー、余計なこと言った!


ばかすみれ。


このままでいるも気まずいので、箸を進めようとした、その時。


「……貴女が、よかったんです。…それでは、納得出来ない?」


「………」


…今、なん、て?