『…独身者の場合には、日常生活のサポートまでして頂けると良いかと』


『…は、日常、生活ですか』


なんだそれ。


『…男性は特に。仕事に明け暮れるあまり、自分自身をなおざりにしがちですから』


…いやいやいやいや!それに関しては男性だけに限りませんから!女性もありますから!


『…体調を崩して業務に差し障れば、会社全体に影響が及ぶこともありますからね。…食事や、クリーニング、…後は身嗜みに関してなどでしょうか』


後はご本人に伺ってください。要求は人によって異なりますから。


…だって☆


…ようは、世話係のようなことをしろと。


………私がして欲しいわ!


『…あぁ、それと。水月さんには必要のないことかもしれませんが、秘書としての身嗜みも、業務に含まれます。礼儀作法やマナーもです。…一応、ご参考までに』


………。


なんかめちゃくちゃ腹立つのは私だけだろうか。


『……かしこまりました。勉強いたします』


―思い出しただけで、疲労感がハンパない。


「……出来るのかなぁ」


今までとは、違う分野。


ガツガツ仕事して来た人間は、その勢いで行けば跳ね返されそうだ。