「世維…世維ぁああああ!
出てこいよ…ぉ出てこいよぉオオ!」

叫ぶ俺に、見下すような体制の少女
髪はながく、前に垂れている
腕は所々骨折していて
頭蓋骨は半分ない
普通の物とは思えない事は
幼稚園児でも分かる事だ

「よつなぁアアア!!!!」

ガバッ!

夢だった…
すべてが夢だった

手は手汗でにじんでいる
気持ち悪い…

俺は、学校に向かうと
まっさきに美鶴を問いつめた

「おい!警察に言うなってどういう事だよ!」
「昨日聞いてなかったのかい?
 めんどくさいのはいやだろ?」
「そういう問題じゃない!」
「隼輝君…君は逃げるのかい?」
「はぁ?」
「世維から逃げるのかい?」

その瞬間皆の肩がピクりと震えた

「なんなんだよ皆…」
「隼輝…見てよこれ…」
「比奈…」

比奈の手から受け取る真っ黒なノート…
美鶴の字はいつの間にか消えていて
その代わりに


正の数がびっしり書かれていた