部屋の中に静かな風が吹き抜ける。 誰も話さない。 俺も司も峰も。 ただ、その中央で眠る女性、峰の母親の姿を眺めていた。 「ーーー……とう……。あり。が、とう……」 すると、ぎこちない言い慣れてない感、丸出しの感謝の言葉が聞こえてきた。 それは、俺でも司が発したのではない。 峰だった。 峰が膝の上に乗せた、拳を握りしめ言ったのだ。 心底安心した様な、そんな表情で。