ハッと気付いた時には遅かった。 背後に居た峰が駆け出していた。 靴を脱ぐ事も忘れ、土足のまま上がり框に足を掛ける。 「母さん……っ!!!」 取り乱した峰の様子に一瞬、何が起きたのか理解出来なかったが。 ドタバタと響く足音に、慌てて峰の後を負った。 峰が駆け、それを追う。 足には自信があるのに、やはり妖狐。 峰との距離は中々縮まらなかった。 ……だが。