そう、ここは洞窟の中。 太陽の光も、月明かりも届かない。 生温い大量の湿気を含んだ風がどこからか吹き込んでくる。 「ケホッケホッ」 再び咳が出た。 本来、喉が渇くなんて感覚はあるはずがないのに、 無性に喉が渇いた。 力の入らない体で、動く筈もない。