龍奇譚-彼の想い-






しかし、机の上に影が射した事に気付いたのか、

蓋を開けるのを止め、ゆっくりと顔を上げた。





――――バチリ



と目が合った。





急に自分の席にやって来た私に少し驚いているようだった。



少しで済むのかしらね………





私はどう切り出そうかと悩みながら、

ただただ彼を見つめる。