少し遅い朝ごはんを食べ、用事を済ませに外に出た帰りの事だった。
ポケットの中の携帯が、震えた。
From:千尋
鍵、落ちてなかった?
その内容に一瞬足が止まる。
鍵?
どこに?
大慌てで家に帰ると、ベットの中にそれはあった。
『何でこんなとこに…』
思わず一人呟き、慌ててメールを打つ。
あった、どうしたらいい?
それだけ打って送信する。
届けた方がいいかな。
仕事今日遅いって言ってたよな…
と、携帯が振動した。
「…あ、ごめん、俺」
『あ、うん、…あったよ鍵』
夕べの事があるから、電話ごしでもなんか気まずい。
…千尋は、何ともないみたいだけど。
『仕事終わった?届けようか?』
「いや、まだ終わってなくて。待たせるの悪いからいいよ、…しばらく預かっといて」
『え、だって家の鍵でしょ?家に入れなかったら困らない?』
「とりあえず今日は漫喫泊まる。明日休みだから、明日美咲の都合良い時間に取りに行く」
『明日私休みだからいつでも良いけど…、なら今日取りに来なよ、終電までにはさすがに仕事終わるでしょ?』
「それはまあ…でも二日連続は悪いし、」
『千尋を漫喫なんかに危なくて泊められないよ!仕事終わったら連絡して?いいね?』
「え、あ、…うん、分かった」
よし、と電話を切って、はっと我に返った。
やってしまった、いつものノリで…
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