「ありがと……!聞いて…くれて。 もう、……スッキリした!」 私はそれだけ言うと向きを変えて歩き出した。 後悔なんてしない。 あんたを好きになれた事。 胸の痛みも、切なさも、その声も、優しさも、笑顔も。 全てがいい思い出になる日がきっと来る。 今はまだまだ…無理だけど。 佐山さんと……仲良くね。 本当に、悔し紛れじゃなく、心からそう思ってるよ。 「アホ菜緒」 ……え。 グッと背後から抱き締められる。 「いい逃げすんな。 俺にも言わせろ。 せっかち過ぎなんだよ」 「つ……司…?」