「サク…は俺の元カノ。ってか好きだった人…だな。」
ニコッと笑うセンパイ。
でも唇の端はピクピクとひきつって、眉間には皺が寄っていた。
「無理、しないで下さい…言いたくないなら言わなくても良いですし。…だから、そんな顔しないで下さい。」
辛くて壊れそうな顔。
泣き崩れそうな顔。
「ッ…大丈夫。むしろ笑って話せるようになりたいんだ…。」
「センパイ…」
「サクもさくらって言うんだ。花が咲く、の咲に良い人の良。名前通り花が咲いたように可愛くて、いつも笑顔で…優しかった。」
───優しかった
なんで過去形なのかは聞いてはならないとすぐに思った。
センパイの瞳が濡れてるから。
なのに瞳の奥は渇いてるから。



