「でも、結局、捨てられなくてさ。 結局、もう20年も経っちゃった」 いつもと同じ、明るい笑い声。 「あの時、戻らなければ、こんなボロい 中華屋で毎日汗水たらして働かなくても 良かったかもしれない」 洋子さんはテレビに目を向けるのを止め、 首を回して私を見た。 「・・・でもさ、自分の人生だから」 ぎゅっと、膝に置いていた手を握られる。