ぼやけた街角で、私は足を止めた。 着の身着のままで出て来てしまった私は、 何も持っていなかった。 もう閉まってしまった小さな商店の前に 設置された、自動販売機。 ここでジュースを買う小銭すら、 今は持っていない。 どうしたらいいんだろう? 私は、途方に暮れて座り込んだ。 歩き疲れた足が、ジンジンと痛む。 人気の無い道端にいると、不意に 孤独感が襲って来た。