太るのが嫌だからといってクラウンまでは歩いて行くことになった。


ゆきはとても細く少しは太ったほうが良いのではないかと思うが、本人がそう言っているのだから仕方がない。


私とゆきは正直、正反対の外見だ。


華奢で女の子らしいゆきに対し、長身の私。


ゆきは羨ましいと言うが、もう少し可愛らしい容貌になりたかった。


165センチとそこまで高いわけではないが、ヒールの靴を履くとそれなりになってしまう。


私が男だったら間違いなく私よりゆきに惹かれるだろう。


他愛ない会話をしていると早いもので、クラウンに着いた。


扉を押すとカランカランと吊り下がったベルが小気味よい音をたてた。