政略結婚はじめました ―初恋―

仕事を口実に帰りが遅い父に何も言わず帰りを待つ母



幼い頃から家族というものを感じた事は無かった




元々、体の弱かった母は昨年62歳という若さで亡くなった



母は父と結婚して幸せだったのだろうか




父を尊敬する反面、人を愛するという事を知らず生きてきた俺は、どこか冷めた人間になってしまっていた



この年になるまで父が持ってくる縁談も断り続けていた



結婚なんてものは邪魔なだけ


ホテルのベッドのうえで気持ち良さそうに眠る女の顔を横目でタバコに火を付けた





俺には、これくらいが丁度良いのかもな…