俺が手を離したんだけど。
俺が面倒になったんだけど。
まだ好きだったらしい。
本当は好きだったらしい。
付き合ってた時はコイツに付き合ってやってるだけだと思ってた。
今更気付いても言える事がない。
「どうしたの?」
俺のモヤモヤなんて知りもせず、普通に聞いてくる。
お前のせいだろ。
ムカつく。
ムカつく。
少しぐらい俺と同じでドキドキしてるとか考えてた俺がバカみたいだ。
「え?」
驚いたアイツの声。
あんまりムカついて思わず俺はアイツにキスをした。
どうせ他の人はきっと見てない。
一瞬だけ。
黙らせただけ。
「ムカつくから。」
唇を離し、一言呟く。
アイツは固まったまま。
ざまーみろ。


