「着いたな。」

「うん。」

いつもの天体観測スポット。

裏山の中でも一番星が綺麗に見える場所。
何年経ってもこの場所は変わらなかった。

「マサト、どうしたの?」

もう一度、聞いてみる。
いつもの大翔じゃない。

そもそも高校に入ってからモテ期に入った彼は私なんて相手にしなくなった。
最初から可愛い顔してるし、頭は良いし、運動もできる彼がモテないはずなかった。

私は十人並みだし、頭も運動も人様に自慢出来るほどではない。
そのせいか、大翔との間は開いていった。

「ん。いいだろ、別に。」

大翔はそれ以上何も言わない。
ただ星空を見ていた。

それを見て私も真似る。
私は昔から二人で星を眺めている時間が一番好きだった。