「ホントに好きだったんだ…。」 彼女はぽつんと言って空を見た。 まるで、涙を流さないように。 しっかり上を見て。 「ふーん。」 んなこと言われてもなんて言えばいいんだ。 正直解らない。 「あのさ。」 「ん?」 「ちょっと借りる。」 「へ?……お?!」 その瞬間。 彼女は腕の中。 珍しい。 声を押し殺してた。