「雨の日って星が見えないよね…。」

ぽつんと、雨が降る空を見上げて彼女は言う。

「見えなくても光ってるんだけどね。」

「知ってるわよ…。」

俺の言葉に、空から顔を外して、ムッとした顔を見せた。


何気ない、いつものやりとり。


気付けばこれが当たり前。
お互いに付き合う相手がいても、いなくても、変わらない。

ずっと変化はない。

まるで空にいつも月と星が輝くように。
それは当たり前の事だった。