「そんな人居ないから大丈夫だよ。」
「い、居るかもしれないじゃん。」
やっぱりいつもと違う。
大昔に私が初めてラブレターもらった時だって、
「モノ好きいるなー」
…とか言ってたくせに。
「居ないって。ってか、居ても要らない。」
「なんで?」
そう聞きながら、大翔はこっちを向いた。
「なんで要らないの?」
「なんでって…。」
どうして今日はこんなにしつこいんだろう…。
「大翔がいいから。」
なんて言えるわけないし…。
「要らないから要らないの。」
「………。」
大翔は納得しないまま、空に視線を戻した。


