「…あの、けど普通にマナーですし。 僕は名乗ってますから。」 「……俺は聞いてない。」 「じゃあ、名無しさんって呼びますよ…??」 「………」 黒髪の機嫌が悪そうな表情にまた新しく眉を寄せる仕種がプラスされた。 「……好きに呼べよ。」 あきらめたように私を見る黒髪。 「真琴、澪って呼んでいいってさ。」 ずっと様子をうかがっていたケイが苦笑しながら私に言った。 「そうなんですか?」 黒髪は答えずに部屋に入って行く。 ―――バタン 私は閉まった扉を言うまでもなく睨みつけた。