「なぁ、史也は結婚しないの?」

突然 飛び出した親友の疑問に、俺は落ち着いて返答した。

「しねーよ。
これ以上、護るモンが増えたら大変だからな」

即答だ。


「護るものって?」

「俺は命を懸けてミコト様を護るって決めたんだ。
それはミコト様だけに限らない。
結婚相手の由奈様だって俺にすれば同じ。
小山内一族の為に死ねるんなら本望だよ。

こんな俺が、他に護るものを作ったら大変だろ?
気が散って仕方ない」

「じゃあ 一生一人で?小山内家の為に生きるのか?」

「当たり前だ」


少なくとも当たり前だったんだ。
あの時点では・・・な。