「あ、あの…紗奈ちゃん」



「はい」



「一応、あの子も不器用だから言っておくけど普段はこんなことで泣く子じゃないのよ」



「……え?」



「多分、優しいお姉さんってこの家に居ないから甘えてるのよ。
だから、あの子のことも嫌いにならずに見てやって?」




まぁ、確かに。
部外者の私が言い過ぎたかもしれない。


ダメだな、つい年下のことになると熱くなってしまう。




「……笹原晶、あのさ」



「何だ?」




眉間に皺が寄っていた。




「1つ言っとくけど笹原晶のことも…きちんと見てるから。
だからその……弟君達に…あまり八つ当たりはしないでね。それだけ」




焦ることも何もないのだ。
笹原晶には笹原晶の、弟君達には無い魅力があるのだから。