「じゃあもうそろそろ帰るね」



「おう。ありがとうな」




…たまにこうした大人っぽい顔にドキリとするのは秘密だ。




「今度は1人で来いよ」


「却下」




2人とも素直じゃない。




「…しゃあねぇなぁ…
じゃあイチャイチャすんなよ?
あ、でも晶君には無理かーだって名前…「黙れ」




スッゴいドスの聞いた声。しかし、華灯はそんなのをものともせずに笑ってる。




「ねぇ、何て言おうとしたの?」


「帰るぞ」




またもや強制連行させられた。
でも今度は痛くなかった。


病院を出た後に少し手をゆるめて赤くなっていないかチラリと確認したことを私は知っている。



笹原晶は不器用だけれど、優しいんだ。…きっと。