「…なんだ。
まだ名前で呼び合ってねーの?
俺と紗奈は呼び合ってるのに」
あーあーうざさ炸裂。
だから知り合い止まりなんだよ、君は。
病院が個室で本当に良かったよ。
「…………」
笹原晶は何も言い返さない。
「え?お前、マジ?」
何故か笹原晶の顔に釘付けになって目を丸くしている華灯。
私は笹原晶の真横にいるので奴の表情は見えない。
だから私はゆっくりと顔を奴の方へ向けた。
「見るな」
その瞬間奴に片手で頭をガッチリと押さえつけられ、横に動かせなくなってしまった。
そしてもう一方の手は私の目を押さえてる。
…何も見えない。
真っ暗だ。


