父親が帰って来たこと。
それで家に居たくないと思ったこと。
だけどそれは実は構って欲しかっただけだってこと。



全部、話した。


守には話を聞いてもらってばかりだ。




「へぇー…
それで私を差し置いて先に大樹に話してたのね」




す、鋭い!!
そちらの説明は省いたというのに!




「………ごめん、なさい…」




「!!」




初めてかも、しれない。
真面目にごめんなさい、なんて言うの。




「…守にはきちんと話さなきゃ…とは思ってた。
まして大樹君なんて関係ないのに…」




守に似たあの性格に私は頼ってしまった。
あの、不器用ながらの優しい声にすがってしまった。
守に楽しくない話はもうしないでおこうと思ってたから、言わなかった。


だけどコレ等は私の都合の良い言い訳。
だって結局守に話してしまってるから。




「――本当、ごめん…」