「別に。 親に愛されたいと思うのは普通だろ」 素っ気ない言い方。 だけれど彼の言葉にはきちんと温もりがある。 「これだけ、お騒がせしたのに……?」 「紗奈さんってさ…」 「?」 それっきり大樹君は口を噤んでしまった。 「どうしたの?」 「いや……知り合ったばかりの俺の言うこと、きちんと聞いてくれるなんて変わってるな…って」 何故かその言葉に笑みがこぼれてしまう。 「……何がおかしいんだよ?」 彼は私が突然笑ったことに機嫌を損ねたのかムスッと眉に皺を寄せた。