「――というわけで明日友達の家にお泊まりしてくるよ」




久しぶりに三人揃って囲んだ食卓。
私は無情にもそう告げた。




「まぁ…紗奈にそこまでの友達が居たなんて…」




アンタは娘を見くびり過ぎだ。




「――好きにすれば良い」




こっちは相変わらずである。




「用意はきちんとしてご迷惑かけない程度で楽しんできなさいね」


「うん」




お母さんはきっと私が何故このタイミングでお泊まりするのか分かっているはずだ。こう見えて鋭いから。お父さんは知らないけど。興味ないけど。



それで分かっていてもなお、お母さんは笑顔で送り出してくれる。




――適わないな、お母さんには。



いやはや参った参った。