休み時間のある日のこと。 「あ、橋本君。 プリント落としたよ」 「あ、ごめん。 ありがとう」 たったソレだけだったのに。 「おい。 プリントぐらい自分で拾え」 低い声でそう言うのは1人しかいない。 「す、すみません…」 顔は良くてもモテないのはこういうのが理由だ。 皆、笹原晶には近づけない。いや、近寄り難いの方が正しいのかもしれない。 今日守が笹原晶と話したのは多分私が隣に居たから出来たこと。 普段なら有り得ないことなのだ。