家に帰るとお母さんはもうすでに帰って来ていた。台所からカレーの良い匂いがする。
「ただいまー」
「おかえりー
紗奈、悪いんだけど少し手伝ってくれない?」
私は靴を揃えて脱ぎ、お母さんが居るであろう台所へ駆け寄った。
「何すれば良いの?」
「コレ、かき混ぜて欲しいの。
それで完成だからお願いね」
「うん。分かった」
お母さんはそう言い残し、和室へ向かった。
お父さんは出張の多い人で今はどこに居るのか分からない。…お母さんなら知っているのだろうけど興味ない。
だから、ウチは実質母子家庭みたいな家なのである。
「……こんなもんか」
私はグツグツと煮込まれたカレーの火を止め、和室へ向かった。


