「不良のくせに…ハッキリしなさいよ」



「不良は関係ねーだろ」




ごもっとも。


金髪ピアスは当たり前。
制服はネクタイせずにボタンを2つ目まで開けるという着崩し方。



改めて不良だと思い知る。…きっと見た目をもう少し大人しくすれば、皆から遠巻きになんてされないだろうのに。


現に今だって私達の会話に耳を傾けているはずの生徒は横目でさりげなくといった感じで観察しているのだ。自分達が話していたことも忘れて。




「どこでも良いだろ」




突然笹原晶が言った。


無愛想なはずの笹原晶が今日は珍しくよく喋っている。


一体どういう風の吹き回しなのか。