恋愛季節




「えーと……吉沢さん、明日もここくる?」



先輩はわざとらしく話題を変えた。



「あ、はいっ」

「じゃあ…明日話あるから」

「え?」



振り返ったときには、先輩はもうグラウンドに向かって走っていた。



「……“話”って、なんだろう」



まだ赤い頬を触りながら、ポツリとつぶやいた。