恋愛季節




「俺の好きな奴、気になんないの?」


何でそんなこと聞くの?
気になるに決まってる。

だって…あたしが、高橋の“好きな奴”になりたかった。


……え?

待って。それって……あたしが、高橋のこと好きって言ってるようなもんだよ。


「…なるわけないじゃん」

「ふーん…。なぁ」


高橋に顔を見られないようにそっぽを向いて歩く。


「何?」

「こっち向けよ」

「やだ。」

「向けって」


強引に体を動かされて、目と目があう。


「何で……」


小さく呟く高橋。


「気になんねぇなら、何でそんな顔すんだよ」


あたしは多分、今めちゃくちゃ顔赤いと思う。

高橋は、辛そうに顔を歪めた後、思いっきりあたしを抱き締めた。


「好きだ。気になる奴は…お前だよ。」


ウソ……


「俺の彼女になって。」

「…………はい。」


涙が止まらない。


「泣くなよ。」


そういって、セーターの袖口であたしの涙を拭う。


「だっ、て」

「あー……幸せ」


再びあたしを抱き締める。
今度は、あたしも背中に手を回す。


「あたしも……幸せ」


最高の笑顔で微笑む。