恋愛季節




お母さんは、もう仕事に行ったのか、部屋にはいなかった。

机の上に、いつもはない物があった。
……朝ごはんがおいてある。


お母さんのご飯食べるの、久しぶりだな。


お母さんなんか嫌い……だけど、何でだろう。
すごく、嬉しい。


ご飯を食べて、身支度をして、学校に向かうと、校門に陸がいた。


「陸……何で」

「おはよ!」


久しぶりに見た陸は、髪が金色になっていて、ピアスもついていた。


「……どうしてここにいるの?」

「麗美に会いに来たから。」


さらっとそんな台詞を吐く。
…言い慣れてるのかな。


「やり直そうよ〜。大事にするし。」

「だから、無理だって…」

「どいて!」


亜美奈が自転車をこぎながら陸に向かってくる。


「うわっ!あっぶね!」


ひょいっと避ける陸。


「麗美に近づかないで下さい!行こ!」


亜美奈はプンプンと怒りながらあたしを引っ張って歩く。


駐輪場で、


「亜美奈、チャリ通にしたの?」

「うん!何かあったら、亜美奈が守るからね!」


…自転車であたしを守るの?


「ありがとう…」


クスッと、笑いながら言うと、亜美奈も嬉しそうに笑う。